【薬剤師が解説!】H28年度 登録販売者試験 解説付き解答 問51~55【愛知・三重・静岡・石川・富山・岐阜共通】
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登録販売者試験の解説を作ってみました。
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目次
主な医薬品とその作用
問51 滋養強壮保健薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a カルシウムを含む成分は、胃腸薬等、カルシウムの補給を目的としない医薬品においても配合されており、カルシウム主薬製剤との併用によりカルシウムの過剰摂取を生じることがないように留意する必要がある。
b 補中益気湯は、体力虚弱で元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの虚弱体質、 疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、寝汗、感冒に適すとされる。
c アスパラギン酸ナトリウムは、米油及び米胚芽油から見出された抗酸化作用を示す成分で、ビタミンE等と組み合わせて配合されている場合がある。
d コンドロイチン硫酸ナトリウムは、肝臓の働きを助け、肝血流を促進する働きがあり、全身倦怠感や疲労時の栄養補給を目的として配合されている場合がある。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
解答
3
a 正 例としてコレステロールの薬のアトルバスタチンカルシウムなど。
b 正 設問の通り。
c 誤 アスパラギン酸ナトリウムではなくて、リノール酸(不飽和脂肪酸)の説明。リノール酸はコレステロール低下作用、抗酸化作用がある。リノール酸、ビタミンE共に油性なので混ざり吸収がよい。
d 誤 コンドロイチン硫酸ナトリウムではなくて、牛黄の説明。
問52 生薬に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である。
2 小柴胡湯とインターフェロン製剤の相互作用のように、医療用医薬品との相互作用も知られている。
3 漢方処方製剤の多くは、処方に基づく生薬混合物の浸出液を濃縮して調製された乾燥エキス製剤を散剤等に加工して市販されている。
4 生薬成分を食品として流通させる場合でも、積極的な情報提供のため医薬品的な効能効果の標榜が必要である。
解答
4
1 正 実証 中間証 虚証 とある。 証が一致しない場合効果が発揮されないことがある。
2 正 小柴胡湯とインターフェロン製剤の併用は間質性肺炎と覚える。(間質性肺炎とは肺の間質部分が不可逆的に繊維化し固くなり肺が膨らまなくなる重病)
3 正 設問の通り。
4 誤 食品なので逆に効能効果は書いてはいけない。
問53 第1欄の記述は、生薬成分に関するものである。該当する生薬成分は第2欄のどれか。
第1欄 キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したものを基原とする生薬であり、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を持つ。血液循環が高まることによる利尿作用を示すほか、鎮痛作用を示すが、アスピリン等と異なり、プロスタグランジンを抑えないことから、胃腸障害等の副作用は示さない。
第2欄
1 ボウフウ
2 サイコ
3 カッコン
4 ブシ
5 サンザシ
解答
4
問54 漢方処方製剤とその適用となる症状・体質との関係のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 防已黄耆湯 - 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節痛、むくみ、多汗症、肥満(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)
b 清上防風湯 - 体力中等度以上で、赤ら顔でときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹 ・皮膚炎、赤鼻(酒さ)
c 黄連解毒湯 - 体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸 ・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、 ふきでもの、肥満症
d 防風通聖散 - 体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔い、血の道症、めまい、動悸 、更年期障害、湿疹 ・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
解答
1
~解説~
a 正
b 正
c 誤 防風通聖散の記述
d 誤 黄連解毒湯の記述
問55 感染症の防止と消毒薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 殺菌・消毒は物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することである。
b 消毒薬を誤って飲み込んだ場合は、一般的な家庭における応急処置として、通常は多量の牛乳などを飲ませるが、手元に何もないときはまず水を飲ませる。
c クレゾール石鹸液は、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示す。
d ジクロルイソシアヌル酸ナトリウムは、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
解答
3
b 正
c 誤 酸化による殺菌ではなくタンパク質変性による殺菌。ウイルスには効果ない。
d 正 固形の塩素剤・プールの底に沈んでるあれです。