【薬剤師が解説!】かかりつけ薬剤師ってどんな制度?有用なのか制度ができた経緯から探ってみた!!

2016年4月9日

H28年4月1日よりかかりつけ薬剤師制度が始まりました。

開始されてから1年が経過しましたが、この制度をまだ知らない方も多いと思います。

ということで、かかりつけ薬剤師制度とはどういった制度なのか、本当に意味のある制度なのかを制度のできた経緯を踏まえてまとめてみました^^

 

かかりつけ薬剤師制度とは

患者さん側からみると、「いつでもどこでも自分が指定したかかりつけ薬剤師に健康相談や薬について相談できる」制度です。

 

薬剤師側から見ると、「患者さんの服薬状況を継続的に一元管理して患者さんへの指導やかかりつけ医への情報報告・処方内容の疑義照会・処方提案などを行う」制度です。

 

このかかりつけ薬剤師制度は患者さんにとって、とても有意義な制度だと思います。

何故なら、基本的には指定したかかりつけ薬剤師が担当することになるので説明が分かりやすい薬剤師など自分に合った薬剤師から薬の説明などを受けることができます。結構合う合わないというのは大事なことだったりします。

「あの薬剤師さんは何か質問しても丁寧に教えてくれるし分かりやすい!」とか「あの薬剤師さんはいつも私の話を聞いてくれて親身になってくれる!」とか「相談しやすい!」とか「めっちゃイケメン!」とかそういう選び方でもいいんです。笑

信頼できる薬剤師を選んでもらえればよいかと思います^^

 

また、薬に関する相談をかかりつけ薬剤師に24時間365日いつでもすることができます。帰宅後服用したら痒みや発疹が出たり体調変化が出た場合や服用方法が分からなくなったり何か問題が起きたときなど電話で薬剤師に確認することができます。薬局がすでに閉まっている時間などに聞きたいことができた場合等では有用かと思います。

 

金額的には20~100円ほどいつもより高くなります。この金額を支払うだけの価値があるかどうかは患者さん自身が決めてよいことです。

 

かかりつけ薬剤師が実際にどんなことをしているのか、かかりつけ薬剤師に選んでくれた患者さんのために何を還元できるのかは次項の「かかりつけ薬剤師制度ができた経緯」を見ていただくと理解しやすいかと思います^^

 

 

かかりつけ薬剤師制度ができた経緯

そもそも何故「かかりつけ薬剤師」なる制度ができたのかというと、厚生労働省が行っている地域包括ケアシステム推進の一環で提案されたのがきっかけです。

 

地域包括ケアシステムとは、

高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制

引用:厚生労働省HP(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/)

のことです。2025年を目途にこのシステムの構築を推進していくとのことです。
 
 
つまりは団塊の世代が75歳以上になる年がこの2025年であり、医療や介護の負担が増大することを見越して『住まい・医療・介護・予防・生活支援』が一体的に提供される地域でのシステム作りが大切であるとの考えなのです。
 
 
かかりつけ薬剤師制度も結局はこのシステムをうまく運営していくための1つの歯車なのです。
 
患者さんにただ薬を渡すだけでなく各病院の薬や服薬状況を一元管理することによって、かかりつけ医との連携も図りやすくなり結果的に患者さんの健康に還元することができるのです。
 
 
実際、厚労省の資料にはかかりつけ薬剤師は
患者の服薬状況を一元的・継続的に把握し、それに基づき患者へ指導等を行う。また、得られた患者情報に基づき、かかりつけ医に服薬情報等を報告するとともに、薬学的見地から処方内容の疑義照会や処方提案等を行う。
 
引用:厚生労働省HP(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000116338.pdf)
と書かれています。
 
継続的に一元管理することに何の意味があるのか考えてみると、情報があちこちに点在しているよりも1カ所で管理した方がミスも少なくなり管理も楽で、患者さんとの信頼関係も築けることなのではないかと思います。一応、薬剤師の仕事上そう考えた理由を3つほど挙げておきます。
 
 
~理由その1~
調剤薬局にいた頃の話です。消化器内科などで胃薬をもらっている方が整形外科を受診したところ痛み止めと胃薬が処方され、実はこの胃薬が似た作用のもので整形外科の胃薬は不要であったという事例がありました。(ちなみに、整形外科に疑義照会して整形外科の胃薬は削除となりました)
 
この時はお薬手帳を持参されていたので防ぐことができましたが、消化器内科の薬を他の薬局でもらっていてお薬手帳も忘れたor持っていない場合では服用している薬が確認できなければ見落とされてしまう可能性があります。これは一元管理していれば防ぎやすいミスのひとつかと思います。
 
 
~理由その2~
病院で薬剤師をしていた頃は担当の病棟を受け持っていましたが、これは狭い範囲でのかかりつけ薬剤師のような仕事だったのかなと思います。
病棟にいる患者さんがどんな薬を服用しているか、追加された薬で問題ないか、患者さんから相談を受けたり何か問題がある場合などは処方医や看護師と相談したりして患者さんに還元していました。継続的に一元管理することで相談する側も管理する側も非常に楽だったのではないかと思います。
 
 
~理由その3~
継続的に接することで患者さんとの信頼関係が築けている実感がありました。(一方的な思いだったら切ないですが笑)これは調剤薬局にいたときでも感じました。何度も同じ患者さんと接すると話のやり取りもスムーズにもなり、患者さんの方から気になることなどを質問されたり、結果的にそれが病識・薬識向上などに繋がり治療に還元されることもありました。
このように互いの信頼関係を築くことで、スムーズなやりとりだけでなくお互いに有用であることが分かります。
 

 

 

まとめ

薬剤師の仕事は結構地味であまり知られていないせいか「薬を棚から取って渡すだけじゃん!」とかいう話もよく耳にしますが、処方に間違いや問題がないか、相互作用はないか、副作用歴に該当しないか、副作用はでてないか、服用継続で問題ないかなどチェックする項目も多くあります。

かかりつけ薬剤師はその患者さんの担当となり、継続的にみることができ複数の病院の薬を一元管理するので、いつもの処方内容や薬を中止した経緯などが頭に入っていることも多かったりするのでスムーズに患者さんとのやりとりができると思います。

地域包括ケアシステム的には、患者さんとの信頼関係を結ぶかかりつけ薬剤師という制度を広めることで、今後の薬剤師が担っていく医療の地盤固めができるのではないかと感じています。

 

ただ単に患者さんの担当薬剤師になるというだけでなく、その先を見据えた制度であることを薬剤師も患者さんも知ることで今後の薬剤師と患者さんの壁をなくすことに繋がっていくのではないかと思います^^