【薬剤師が解説!】ステロイド含有の喘息治療薬を吸入するときのコツ!!知っていると鼻炎にも効果あり?
気管支喘息と診断されたら、吸入ステロイドが開始されますので基本的に気管支喘息ではステロイド含有の喘息治療薬を使用しています。
薬の商品名でいうと、吸入ステロイド単剤だとオルベスコ、パルミコート、フルタイド、キュバール、アズマネックス、吸入ステロイド/LABA配合だとアドエア、シムビコート、フルティフォーム、レルベアがあります。
※フルティフォームを使用している方はこちらの記事もご参考ください。
ステロイドを含む吸入薬を吸入するときは、基本的には「息を吐いたら吸入薬を吸う→5秒程度息を止める→息を吐く→ブクブク・ガラガラうがいをする」という感じで吸入していただいているかと思います。
その吸入時にあまり知られていない(と思われる)ポイントが2つあります。
それは、吸入のタイミングと吸入後に息を吐くときは鼻から吐くということです。
今回はその2つのポイントについて解説していきます!
副作用予防と喘息コントロールに役立つと思いますのでぜひご覧ください^^
目次
ステロイド含有の吸入薬を使用するタイミング
ステロイド含有の吸入薬では必ず吸入後にうがいをするようにと薬局で言われていると思います。
ステロイド含有の吸入薬ではなぜうがいが必要なのか?
なぜステロイドを含む吸入薬でうがいが必要かというと、吸入後にうがいをせずそのまま放置していると口の中や喉、食道にステロイドがくっついたままになり白いカビが生えてしまったり(=カンジダ症)、声がかれたり(=嗄声:かせい)する恐れがあるからです。
しっかりうがいをすることで予防することができますが、吸入するタイミングでより副作用予防効果が高まります。
吸入のおすすめのタイミング!
一番おすすめの吸入するタイミングは、食事前(もしくは歯を磨く前)です!
なぜかというと、吸入後にブクブク・ガラガラうがいをした後にご飯を食べることで口内や喉、食道に残ってしまったステロイドが落ち、さらに食後に歯を磨けばステロイドが残っている可能性はより低くなるからです。
ちなみに外出先などですぐにうがいができない時などは、唾液で口の中を洗ってティッシュにその唾液を吐きだし、そのあとに水をのむと良いです。
息を吐くときには鼻から吐くと良い?
ステロイド含有の吸入薬を吸った後に息を吐く際、口からそのまま吐くのではなく鼻から吐くことをおすすめします。
なぜ鼻から吐くと良いの?
薬が外に出ていきづらい
口から息を吐きだすよりも鼻から息を吐きだす方がゆっくりと空気が出ていくため、吸入した薬が外に出ていきづらくなり薬が気管支などに定着しやすいのです。
そのため吸入した後はしっかり息止めをして、鼻からゆっくりと息を吐きだすことが大切です。
アレルギー性鼻炎や好酸球性副鼻腔炎に効果が期待できる!
吸入後に鼻から息を吐きだすことで気管支などに定着できなかった薬が鼻の中に定着します。
そのため、吸入後に鼻から息を吐きだすことでアレルギー性鼻炎や好酸球性副鼻腔炎に効果が期待できるのです。
追記:私も喘息でステロイド含有の吸入薬を使用しているので実際試してみました。最初は本当に効くのかな~なんて思いながらやっていましたが、そういえばここ1年ほど鼻水出てないなとふと思ったので追記しました。吸入時に鼻から息を出すことを続けていたら、あんなに鼻をかみまくっていたのが嘘のようにスッキリしていることが多くなりました。継続は力なり、ですね。カンタンも簡単なので、ぜひ試してみることをお勧めします!!
好酸球性副鼻腔炎ってなに?
「好酸球性副鼻腔炎」という病気はあまり聞きなれないかと思いますので簡単に解説しておきます。ちなみにこの病気は難病指定されています。
好酸球性副鼻腔炎は両側の鼻内部に鼻茸(はなたけ)という水膨れのようなふくらみができ、鼻閉や粘っこい鼻水がでたり、匂いが分かりづらくなったりと嗅覚障害が起こります。
成人してから気管支喘息を発症した方やアスピリン喘息に合併して起こることが多いといわれています。
治療としては、ステロイドの内服や内視鏡手術などを行います。
おわりに
吸入は慣れてくると吸入の手順がおろそかになったり、うがいをしなかったりする方もいらっしゃいます。
私も成人後に喘息になってしまい、ステロイド吸入をしていますが正直面倒くさいです。笑
しかし今回の記事をお読みいただいた方は、吸入後のうがいやちょっとした工夫が喘息コントロール改善・維持に繋がると知っていただけたかと思います。
喘息のコントロールをしていくうえで今回の記事がみなさまのお役に立てたならば幸いです。
2種類以上の吸入薬を使用している方はこちらの記事もご参考ください。
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フルティフォームを使用している方はこちらの記事もぜひご覧ください^^
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