妊婦さんはナチュラルチーズに注意が必要?!リステリア菌感染と予防対策方法まとめ!!

薬剤師のしろくまです。

妊娠してからリステリア菌感染について目にすることが多くなりました。

リステリア菌による感染は病原性大腸菌O-157などに比べてあまり知られていないかもしれません。重症化することはまれですが、妊婦、高齢者、免疫機能が低下している方は注意が必要です。

 

ということで、今回はリステリア菌についてと予防対策方法についてまとめてみました!

 

リステリア菌とは?

リステリア菌の正式名称はListeria monocytogenes (リステリア・モノサイトゲネス)といいます。食品を介して感染する食中毒菌です。

 

リステリア菌が増殖する温度

リステリア菌が発育増殖できる温度は0~45℃と広く、増殖しやすい温度は30~37℃ではありますが冷蔵庫内の温度でも増殖ができます。

低温であるほど増殖はしにくくなりますが、冷蔵庫は扉の開閉もあり温度変化しやすいので注意が必要です。

また、リステリア菌は塩分にも強いのでしょっぱいから大丈夫と過信してはいけません。

 

リステリア菌感染に注意が必要な食品

生ハムやパテなどの食肉加工品、未殺菌乳やナチュラルチーズなどの乳製品、スモークサーモンなどの魚介類加工品が主な原因食品となっています。

冷蔵庫で長期間保存され、加熱せずにそのまま食べられる食品はリステリア菌食中毒の原因になり得るので注意しましょう!

ただ、リステリア菌は自然界に広く分布している細菌であり、ほとんどの動物や様々な食品にいる可能性がある細菌なので、生野菜や果物などは食べる前によく洗いましょう。

 

ちなみに、国内では食品衛生法で非加熱食肉製品(生ハムなど)、ナチュラルチーズ(ソフト、セミハード。容器包装に入れた後に加熱殺菌したものや飲食の際に加熱が必要なものは除外)を対象として規格基準が定められています。規格基準はリステリア菌100cfu/g以下と定められています。「リステリア菌が多少いてもいいのか?」と思われるかもしれませんが、

健康な成人の場合は、非常に高度(106cfu/g)に汚染された食品を喫食することにより発症する可能性があります。ただし、高齢者や免疫機能が低下している人はより少ない菌量でも発症することがあり、髄膜炎や敗血症等の重篤な症状に陥ることもあります。また、妊婦の場合、母体が重篤な症状になることはまれですが、胎児・新生児に感染による影響が出ることがあります。

引用:「リステリア・モノサイトゲネスに関するQ&Aについて」(食品安全委員会、http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000070322.pdf)

とのことなので、健康な成人の場合は規格基準以下であれば問題ないでしょう。

また、適切な温度管理や製品のpH、添加物などによりリステリア菌の増殖は抑えられるとされています。

 

 

 リステリア菌の潜伏期間と感染による症状

リステリア菌の潜伏期間は平均すると3週間と推定されていますが、24時間未満であったり1ヶ月以上であったりと人によってバラツキが出ているようです。

 

リステリア菌感染による症状としては、健康な成人では無症状の場合も多いようです。感染初期は倦怠感、発熱を伴うインフルエンザ様症状が出ることがあります。重症化すると化膿性髄膜炎や敗血症などを引き起こすこともあります。

細菌が引き起こす食中毒というと嘔吐や下痢などの急性胃腸炎症状がでるイメージがありますが、リステリア菌による食中毒では通常急性胃腸炎症状はみられないとされています。

 

妊婦の場合、胎児に垂直感染が起こり流産や早産の原因となる場合があります。

潜伏期間も3週間ほどと長い場合も多く、風邪のような症状がでるとなるとリステリア菌に感染しているとは気付きにくいかもしれません。しかし、お腹の中の赤ちゃんにも感染して流産や早産になる危険性もあります。減らせるリスクは減らすに越したことはないと思います。

妊娠中は免疫力が低下しやすく感染症にかかりやすくなっているので、リステリア菌以外の細菌感染でも予防対策もしっかりしていきましょう!

正しい手洗いの仕方インフルエンザの接種時期と効果持続期間ノロウイルス予防対策についての記事なども併せてご参考ください。

 

 

予防対策!!

妊娠中は「リステリア菌感染に注意が必要な食品」で挙げた食品(ナチュラルチーズやパテなど)は避けた方が良いでしょう。

リステリア菌は自然界に広く分布しており、生野菜や果物にもついている場合があるので食べる前によく洗いましょう!

リステリア菌は冷蔵庫内の温度でも増殖できるので、消費期限内に食べるようにしましょう。開封後は期限に関わらず速やかに食べましょう!冷蔵庫内よりもチルド室や冷凍庫で保存するのがおすすめです。

リステリア菌は加熱により死滅するので十分に加熱してから食べましょう。一般的な食中毒予防と同様に、目安として中心部分の温度が75℃で1分以上加熱しましょう。

 

 

まとめ

妊娠中は免疫力が低下しやすいので、普段はかかりにくい感染症でもかかりやすくなっています。食中毒は夏場のイメージですが、リステリアの場合は0~45℃でも増殖できる菌です。時期を問わないのでリステリア菌感染のリスクが高い食品は避け、注意していきましょう!

 

 

参考資料をもとに作成:

・「リステリアによる食中毒」(厚生労働省、http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055260.html)

・「これからママになるあなたへ~食べ物について知っておいてほしいこと~」(厚生労働省、http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/ninpu.pdf)

・「リステリアによる食中毒について」(食品安全委員会、http://www.fsc.go.jp/sonota/listeria.pdf)

・「 リステリア・モノサイトゲネスに関するQ&Aについて」(食品安全委員会、http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000070322.pdf)

・「リステリア・モノサイトゲネス感染症とは」(国立感染症研究所、https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/525-l-monocytogenes.html)