【薬剤師が解説!】妊娠前・妊娠中の葉酸の必要性と推奨摂取量まとめ!!

こんにちは!薬剤師のしろくまです。

今回は妊娠前・妊娠中の葉酸の必要性と推奨摂取量についてまとめてみました!!

 

そもそも葉酸とは何か?

葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の仲間です。

DNAの生成(核酸塩基合成)に関与しているので、細胞分裂すなわち細胞が増殖していく上で大切になってくるビタミンなのです。受精卵は細胞分裂を繰り返していくので、葉酸は妊娠時には特に大切なビタミンとなってきます。

 

食品中の葉酸

葉酸は色々な食材に含まれていますが、枝豆やモロヘイヤ、ほうれん草、アスパラガス、ほたて、ライチ、いちご、アボカドなどに多く含まれています。

しかし、水溶性ビタミンなので茹でたりすると茹で汁に葉酸が溶け出てしまったり、熱に弱いので食品中の葉酸は調理によって50%ほどが分解してしまいますなので、生で食べたり加熱時間を減らしたり、スープなどにして茹で汁も一緒に飲んだりと工夫すると良いです。

 

食事で葉酸を摂っても生体利用率(=体の中で利用される率)は50%以下ではないかと考えられています。これは、食品中の葉酸の大部分がポリグルタミン酸型という形で存在しているのですが、消化吸収される(モノグルタミン酸となってから吸収される)までに様々な影響を受けてしまうので生体利用率が低下するのではないかと考えられています。

 

栄養補助食品中の葉酸

食品中の葉酸が生体利用率が低いのに対し、栄養補助食品中の葉酸は生体利用率が高いことが分かっています。

栄養補助食品中の葉酸はプテロイルモノグルタミン酸といって食品中の葉酸と構造が異なっています。このプテロイルモノグルタミン酸は生体利用率が85%程度と考えられています。

栄養補助食品の葉酸は生体利用率が高いので、食事から摂取する葉酸にプラスして栄養補助食品で葉酸を摂取することが望まれます。

 

 

妊娠前の葉酸摂取の必要性と推奨摂取量

妊娠を計画していたり、妊娠を望んでいる場合は妊娠する前に葉酸を摂取しておくことが大切です。

なぜ妊娠前に葉酸が必要なのか?

なぜ葉酸を摂らなければならないのかというと、神経管閉鎖障害の発症のリスクを減らすためなのです!!

神経管閉鎖障害の発症リスク低減のために妊娠の可能性のある女性は通常の食事に加えて栄養補助食品で1日400μgの葉酸を摂取するように、2000年に厚生労働省から通達がでています。

 

神経管閉鎖障害とは?

神経管閉鎖障害とは脳や脊椎などの神経管(中枢神経系)に異常がみられる先天異常で、日本では脊椎に癒合不全が生じる二分脊椎が多いようです。

中枢神経系の先天異常は妊娠7週未満に発生することが知られており、妊娠1ヶ月以上前からの摂取が推奨されていますが、妊娠が判明してからの葉酸摂取でも効果が見られたという報告もあります。

そのため、妊娠を計画的にしている方は葉酸摂取を妊娠前から行うことが望ましく、妊娠前に葉酸を摂っていなかった方も妊娠が判明してから葉酸を摂取することが推奨されています。

 

妊娠前の葉酸摂取推奨量

「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」では18歳以上の女性では葉酸の食事摂取推奨量は1日240μgとなっており、

妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、付加的に400μg/日のプテロイルモノグルタミン酸の摂取が望まれる。

引用:「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」(厚生労働省、http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf)

と記載されています。

妊娠前の葉酸摂取推奨量は、食事から240μg/日+サプリメントなどの栄養補助食品から400μg/日で合わせて640μg/日ということになります。

 

 

妊娠中の葉酸の必要性と摂取推奨量

妊娠中の葉酸の必要性

研究報告や諸外国の対応としては神経管閉鎖障害のリスク軽減のために葉酸摂取時期は少なくとも妊娠1ヶ月以上前からと妊娠3ヶ月まで、という内容が厚生労働省の資料(http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html)に載っていました。妊娠初期は神経管閉鎖障害のリスク軽減のためにも葉酸摂取推奨量を摂っておくことが大切だと思います。

 

また、「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」を見ると妊娠3カ月等の妊娠期間は関係なく、妊婦としての葉酸摂取推奨量が載っています。葉酸は細胞分裂や造血などにも関与しているので、胎児が育っていく上で大切な栄養素でもあり、妊婦さん自身の血液量も増えていくので普段以上に必要になってくるためだと思われます。

 

妊娠中の葉酸摂取推奨量

妊娠中の葉酸摂取推奨量は「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」によると、240μg/日にプラスして240μg/日=合計480μg/日となっています。

妊娠前はサプリメントなどの栄養補助食品からプラスして葉酸を摂ることが記載されていましたが、妊婦では特に記載がありませんでした。ただ、食品中から摂るのは大変なのでサプリメントなどを利用するのが良いかと思います。

 

 

葉酸の摂取上限量

葉酸は大切な栄養素ではありますが、やはり摂り過ぎはよくありません!

「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」には、18~29歳では葉酸の耐容上限量として900μg/日、30~49歳は1000μg/日と記載されています。

サプリメントなど栄養補助食品から葉酸を摂る場合は生体利用率が高いので、記載されている摂取目安量をきちんと守って服用しましょう!!

 

 

ちなみに私が飲んでいるサプリメントは1日3粒を目安に飲むもので、3粒で葉酸480μg含有しています。

葉酸の栄養補助食品は錠剤タイプだけでなく、キャンディやスティックタイプの溶かして飲むドリンクだったり色々種類があるので自分に合ったものを探してみてください^^

 

 

 

まとめ

妊娠前で妊活している方などは、あらかじめ葉酸サプリメントなどで葉酸を摂取しておくことが神経管閉鎖障害のリスク軽減のために大切となってきます。妊娠中も胎児の発育や妊婦さん自身の体の変化(血液量の増加など)でも必要な栄養素ですので、サプリメントなど栄養補助食品を活用しながら葉酸を摂取しましょう!!

 

 

<参考>

・日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要(厚生労働省、http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf)
・神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について(厚生労働省、http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html)
・葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果(e-ヘルスネット、https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html)