【薬剤師が解説!】感染経路・症状・潜伏期間などノロウイルスの特徴まとめ!!

2016年12月19日

ノロウイルスは1年を通して感染者がみられますが、特に冬場に多くみられます。

今年もすでにノロウイルス感染者が増えてきています。

 

しかも今年感染した方から遺伝子変異が起こっているノロウイルスが検出されており、大流行になる可能性があります。

現在検出されているノロウイルスの変異株は、過去に流行の起きたGII.2の変異株であると判明しています。

手洗いや正しい感染汚物処理方法などの感染予防対策をしっかり行なうことが大切です。

 

この記事ではノロウイルスの感染経路や症状、潜伏期間などについてまとめましたので、感染予防にお役立てください。

 

感染予防対策についてはこちらの記事をご参考ください。

[blogcard url="http://kumasan-kenkou.com/norovirus-measures"][/blogcard]

 

ノロウイルスにはどうやって感染する?

ノロウイルスによる感染はほとんどが『経口感染といって口からウイルスが入ることで引き起こされています。

 

ノロウイルスに汚染されている二枚貝(牡蠣など)を生で食べてしまったり、十分に加熱しないで食べたりすると感染してしまいます。

ノロウイルスに汚染された手や包丁、まな板などを介して、加熱調理しないサラダ等から感染が広がっていくというパターンもニュースなどでよく耳にするかと思います。

 

また、ノロウイルス感染した方をお世話している方(家族など)も吐瀉物や便などから手を介して感染するので十分な注意が必要です。

 

ちなみに、吐瀉物や便などが乾燥すると埃やその乾燥物を介してノロウイルスは空気中に舞ってしまいます。そして呼吸をしたときにこれを知らずに吸い込んでしまい、ノロウイルスに感染することもあります。

 

カーペットやカーテンなどにノロウイルスが付着してから1週間以上経過していてもそのノロウイルスで感染を起こしたりする場合もあり、乾燥にも強く長期間感染力が持続するので汚染した可能性のあるものはきちんと消毒しておきましょう。

 

ノロウイルスに感染するウイルス量は??

ノロウイルスは感染力が非常に強いウイルスです。

10-100個のごくわずかなウイルス量でも感染を引き起こします。

 

ちなみに、ノロウイルスに感染した方の糞便1g中には、ノロウイルスが100万~10億個程度含まれるとされています。

また、その嘔吐して出た吐瀉物1g中には、ノロウイルスが100万個ほど含まれるとされています。

(ちなみに1gは1円玉の重さと一緒です!)

近くでノロウイルス感染者が吐いてしまったりしたら、それはもうとんでもない量のウイルスが吐瀉物などには含まれているのです。そしてそこから次の感染が始まるのです。

 

 

ノロウイルスの潜伏期間

潜伏期

ノロウイルスに感染してから症状がでるまで、1〜2日かかるとされています。

 

ノロウイルス排出期間

症状がなくなった後も大抵は3~7日程度、長いと1ヶ月以上も便中にノロウイルスが混ざって出てしまうので2次感染を起こさないように注意が必要です。

 

 

ノロウイルスの感染症状と治療

症状

主な症状はみなさんもご存知かと思われますが、突発的な吐き気や嘔吐、そして腹痛や下痢です。

 

頭痛、発熱(37~38℃ほど)、咽頭痛、倦怠感など、風邪のような症状も一緒に出ることがあります。

 

大抵上記のような症状が1~2日ほど出て治ります。

 

不顕性感染

ちなみに、ノロウイルスに感染しても症状が出ない(=不顕性感染)人もいます。

 

この場合本人はノロウイルスに感染していると気付けないため、ノロウイルスを広めてしまう可能性があり厄介です。

普段から手洗いを徹底することが大切です。特に調理をする方は感染を広げやすく、要注意です!!

 

☞手の正しい洗い方”衛生的手洗い”はこちらの記事をご参考ください。

[blogcard url="http://kumasan-kenkou.com/tearai"][/blogcard]

 

治療

基本的にはノロウイルスに感染しても特段必要な治療はなく治っていきます。

ちなみにノロウイルスに対して直接効く薬というものはなく、薬としては対症療法として整腸剤などが出たりする程度です。脱水等があれば点滴したり、症状に合わせた治療が行われます。

 

おうちでも嘔吐・下痢が続くかと思いますので、脱水を起こさないように水分補給を行うことが大切です。(水分とったらまた出るから水分はとらない、という考えは脱水につながり危険です!)

 

基本的には軽快しますが、乳幼児や高齢者などでは嘔吐や下痢によって脱水を起こしやすく、吐瀉物が喉につまって窒息したりすることもあるので十分な注意が必要です!

 

 

ノロウイルスにはアルコール消毒が効かない??

「ウイルス」にはエンベロープという脂質二重層からなる膜があるものとないものがあります。

ノロウイルスはこのエンベロープを持ちません

 

エンベロープを持っているウイルスでは、アルコールによる消毒によってエンベロープを壊すため効果的です。

しかし、エンベロープを持たないウイルスはアルコールによる消毒が効きにくいのです。

 

従って、ノロウイルスにはアルコール消毒はあまり意味を成しません。

 

しかし、アルコール消毒はエンベロープを持つウイルスや細菌などには効果的ですので、手洗い後や手洗いできない場合にはアルコール消毒をしておきましょう!

(基本的には石鹸を使用した手洗い後によく手を乾燥させ、アルコール消毒をする、というのが理想的です。)

 

先ほども紹介しましたが一応再度紹介しておきます。

☞手の正しい洗い方”衛生的手洗い”はこちらの記事をご参考ください。

[blogcard url="http://kumasan-kenkou.com/tearai"][/blogcard]

 

ちなみに石鹸自体にもノロウイルスを直接的に効くわけではありません。

では何故石鹸による手洗いが推奨されているのかというと、石鹸の泡で手の皮脂などの汚れを落としてノロウイルスを手から剥がれ落ちやすくするからです。

 

手洗いは手に付着したノロウイルスを落とすのに一番有効です。

調理前や食事の前、トイレ後、ノロウイルス感染者の汚物処理後などは必ず手洗いを行いましょう。

 

 

まとめ

ノロウイルスは感染者に対して下痢や嘔吐を引き起こさせ、その中にノロウイルスを大量に含ませて周りにいる他者にも感染させようとします。

 

自分という存在をいかにして増やしていくか、途絶えさせないようにするかという生命存続のための力を感じますよね・・・。(ウイルスを生命と言っていいのかよく分からないが)

そう考えると自然ってすごい、といつも思います。不思議ですね。

 

今年もすでにノロウイルス感染者数が増えてきているので、衛生的な手洗いをしっかり行って注意していきましょう。

 

参考:

・「ノロウイルス関連情報」国立医薬品食品衛生研究所ホームページ(http://www.nihs.go.jp/fhm/fhm4/fhm4-nov001.html)

・「ノロウイルス感染症とは」国立感染症研究所ホームページ(http://www.nih.go.jp/niid/ja/encycropedia/392-encyclopedia/452-norovirus-intro.html)

・「ノロウイルス等検出状況(2016.12.11現在報告数)」国立感染症研究所ホームページ(http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/2082-disease-based/na/norovirus/idsc/iasr-noro/5701-iasr-noro-150529.html)

・「ノロウイルスに関するQ&A」厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000129187.pdf)

・「昨年末のノロウイルス食中毒又は感染症に関するウイルス学的な情報整理について 」厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/08/dl/s0817-6e.pdf)

・「感染性胃腸炎の流行に伴うノロウイルスの感染予防対策の啓発について」厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000146726.pdf)