【薬剤師が解説!】鳥インフルエンザは人に感染する?鳥インフルエンザとは一体何なのかまとめてみました

2016年12月15日

鳥インフルエンザが日本の7都道府県で発生し(H28.12.9現在)、ニュースをご覧になった方も多いかと思います。

 

『鳥インフルエンザ』というと、野鳥などから鶏などへ感染するインフルエンザで感染症の分類のどこかにあった気がする・・・というくらいの曖昧な記憶であったので調べてまとめてみました。

 

そもそも鳥インフルエンザとは何か?

一般的に『鳥インフルエンザ』とは、インフルエンザウイルスを病原体とした鳥の感染症のことを言います。

 

また、鳥類が感染するA型インフルエンザウイルス(=鳥インフルエンザウイルス)が人や他の動物に感染した場合にも『鳥インフルエンザ』が感染症名となります。

 

鳥がかかっても、人などがかかっても『鳥インフルエンザ』と言うので少しややこしいですね。

 

初めは鳥にだけに感染するインフルエンザウイルスと思われていたものが、人にも感染すると分かったのでちょっとややこしくなったんですね、きっと!

 

ちなみに鶏の致死率が高い鳥インフルエンザウイルスに感染した場合は『高病原性鳥インフルエンザ』、 高病原性鳥インフルエンザウイルスを除いたH5またはH7亜型の鳥インフルエンザウイルスに感染した場合は『低病原性鳥インフルエンザ』と呼ばれます。(→家畜伝染病予防法で規定。)

 

 

鳥インフルエンザウイルスについて

インフルエンザウイルスにはA,B,C型の3種類がありますが、『鳥インフルエンザウイルス』は基本的に鳥に感染するA型インフルエンザウイルスです。

 

この鳥インフルエンザウイルスは、鳥類(主に鴨やアヒルなどの水鳥)に感染します。

 

鳥インフルエンザウイルスに感染した鳥の糞などを介して鳥から鳥へと拡がっていきます。

また、感染した鳥の糞に汚染された水からも他の鳥へと感染します。

 

 

A型インフルエンザ

先ほど述べましたが、鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルスです。

A型インフルエンザウイルスは鳥だけでなく豚や人などにも感染します。

 

毎年のように流行している季節性インフルエンザは、主にA型とB型のインフルエンザウイルスが原因です。

 

では、鳥インフルエンザと季節性インフルエンザは何が違うのか?

それは、A型インフルエンザウイルスの”型”が異なるのです。

 

A型インフルエンザの”型”

インフルエンザウイルスは、HAとNAという糖タンパク質を持っています。

 

HAとはヘマグルチニンや赤血球凝集素と呼ばれており、宿主細胞への吸着に関与しています。

NAとはノイラミニダーゼと呼ばれ、宿主細胞からの放出・遊離に関与しています。

 

A型インフルエンザウイルスはこのHAが16種類、NAが9種類あり、この組み合わせによって色々な”型”ができるのです。

人に感染する主なA型インフルエンザウイルスには、H1N1、H3N2(香港型)などがあります。

 

鳥インフルエンザウイルスにも色々な型(H5N6やH7N9など)がありますが、それら全てひっくるめて『鳥インフルエンザウイルス』と呼んでいます。

 

 

鳥インフルエンザは人にも感染する?

日本では鳥インフルエンザに人が感染したという報告はありませ

しかし、中国等のアジア中東など一部地域で鳥インフルエンザの人への感染が報告されています。

 

感染経路

鳥インフルエンザウイルスに感染した家禽(かきん)や野鳥の排泄物や臓器、体液などに濃厚接触したり、その飛沫や塵埃を吸い込んでしまうことにより感染することがあるとされています。

 

野鳥などでも弱っている鳥や死んでいる鳥には触ったりしないように気を付け、触ってしまった場合はすぐに手を洗いましょう。

鳥の糞などが大量に落ちていたり羽が舞っているような場所を避け、その埃を吸わないようにしましょう。

 

また、鳥インフルエンザが発生している地域に渡航したりする場合は、鳥を扱っている市場や養鶏場などには近づかないようにしましょう。

 

渡航先での感染症情報などは、厚生労働省検疫所FORTHホームページ等から確認できます。

 

鳥インフルエンザは人から人へ感染するのか?

鳥インフルエンザウイルスが人から人へと感染した報告はありますがきわめて稀です。

どういった状況で人から人への感染が認められたかというと、感染者の介護などで長時間濃厚な接触のあった家族などに範囲が限られています。

 

現時点では連続的、持続的に人→人→人→…という形で人から人への感染は起きていません。

 

 

まとめ

鳥インフルエンザは日本国内では人への感染は見られていませんが、一部地域では稀ですが人にも感染することが分かっています。

 

不用意に弱っている鳥や死んでいる鳥に近づいたり素手で触ったりしないように気を付けましょう。

 

参考:

・厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144461.html)

・国立感染症研究所ホームページ(http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/2392-disease-based/ta/vird-flu.html)

・農林水産省ホームページ(http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html)